化学空間探索方法の変更による構造生成器DAECSの生成構造の多様化

Abstract

近年, 機能性有機分子の開発が盛んに行われている. 開発の効率化のための手段として構造生成器の利用が挙げられる. 目的物性を有する構造を生成するために設計された構造生成器DAECSに対し, 本研究では生成構造の多様化に取り組んだ. 構造変化ルールとして, 結合の縮約ルールと環の併合ルールの二つを追加した. 構造生成の起点となる構造を生成構造群から選ぶ際に, 選択範囲の制限とクラスタリングを組み合わせることで, 生成構造群の多様性の向上を目指した. 提案手法を評価するためヒスタミンH1受容体に対するリガンド構造の生成を行い, 生成構造の分布と, ターゲット座標近傍に生成された構造群の平均Tanimoto距離を確認した. 構造生成実験の結果, 提案手法で多様性が改善したことが分かった. また, 提案手法により新規な構造を得る可能性があることが示唆された.

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